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2006年11月 1日 (水)

技術論議(電子工学から)

 仕事の都合で、電子工学のこの50年ほどを振り返ってみた。50年ほど前には、電子回路と言えばテレビやラジオで、トランジスタと真空管が入り乱れていた。当時はアマチュア無線で、自作も良く行われていた。従って、電子工学や通信工学の大学に、入学した学生が既に大学で学ぶ電子回路の知識のかなりの部分を、実践的に身に付けていた。実際当時のトランジスタ回路では、理論で概略の設計はできても、最後に部品の特性に合わせた調整が必要であり、勘とコツの世界が生きていた。その時代で、物造りの基礎の知識は、工業高校でバランスよく教えられていた。

 一方、現在の電子回路は、携帯電話、パソコン、ディジタルテレビと高度化・多様化している。このために、回路の設計時にも制御理論と言ったフィードバック回路の設計から、分布定数回路など広い技術知識が必要である。そのためのシミュレーション等のサポートはかなり充実している。逆に、回路の設計は確りしているので、机上計算通りの性能が出ており、勘コツの世界は少なくなっている。このため、大学などの専門的な理論教育が重要になっている。現在の大学入学時のアマチュアが、回路設計から実用的な実装に持ち込むのは現実的には難しくなっている。

 ところで、国家技能検定の電子機器の組み立ての学科試験では、従来どおりの個別トランジスタの回路に一部オペアンプの回路が入っただけである。昔は、このレベルでかなりのトラブル追求能力があったが現在では、難しくなっている。

 このような、物造りに要求される基礎技術と知識が高度化しているが、全般的な一般的な工学知識を持った技術者の大学からの供給はまだ少ないように思う。特に従来の企業の姿勢が、新卒の素質に期待し、学校の知識に期待していなかった面もある。現在は転換期になっていると思う。

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