ご縁のあった人たち

無料ブログはココログ

« 学校教育における権力の崩壊 | トップページ | 大阪市の体罰問題について(もう一言) »

2013年1月11日 (金)

スーパーコンピューターを使う力

 先日NHKがスパーコンピューターを使った『物造り』を取り上げていた。確かに現在のスーパーコンピュータによるシミュレーションの精度は上がっている。また記憶容量・演算速度とも従来と比べて大幅に増加しているし、利用実績も多くそれなりのKnowHowを残している。
 従って、これを使っての大幅な開発設計時間短縮や、従来にない斬新な発想の物作りが可能となる。
 しかしながら、この成果が上がるためには、2つの重要なポイントがある。
 一つ目は、シミュレーションはあくまで、仮想的な世界の仕事であり、どこかに抽象化した時の情報漏れが生じている。一般意味論で言う『地図と現地』の違いである。この危険性を排除するために、今までの現物での経験と、理論的計算そしてシミュレーションの突合せを行っておかないといけない。そしてシミュレーションを行うとき、どのような項目を近似項として切り捨てた、またどのような項目はノイズ扱いにして、影響を排除したと言うことが理解できていないといけない。
 このような技術情報は、先行してシミュレーションを作った組織に残るものである。従って、一番手と二番手の差は大きなものになる。「一番になる理由」がここにある。ちょっと危ない例で言えば、アメリカは核爆弾のシミュレーションが行えるだけの、実験データを持っている。一方、北朝鮮などにはそれがない。核拡散防止と言っている一面には、このようなシミュレーションによる開発を防止する意味もある。
 二つ目のポイントは、シミュレーション結果を読み解く、技術力を持った人材の育成である。シミュレーションで結果を見せてくれることは、コンピュータでできる。しかし、その現象の物理学的な意味をしっかり理解するのは、人間の力である。微分法方程式の解き方などは、コンピュータに任せればよい。これは一つの意見であるが、式の意味を理解していない人間には、この結果を読み解くことはできない。しかも、現在の技術は絡み合っている。電気・機械などいろいろな分野の基礎的な理解力が必要である。
 このようなことを考えれば、物理数学をしっかり学び、物理学の意味を理解して、さらに工学での実現を考える技術者は、ますます必要になると考える。
 これを考えると、京都大学の今回の改革案は、良い方向を目指していると思う。

« 学校教育における権力の崩壊 | トップページ | 大阪市の体罰問題について(もう一言) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 学校教育における権力の崩壊 | トップページ | 大阪市の体罰問題について(もう一言) »