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2013年1月17日 (木)

コンビナート事故について

 昨日のNHKの『クローズアップ現代』は、コンビナート事故を取り上げていた。現在の多くのコンビナートは、設立時点から多くの年月を経て、設備老朽化によるトラブルが多く発生している。特に、配管の老朽化による腐食による破損などから、ガスが漏れ火災に至るなどの事故も発生している。一方、設備運営側にも、設立当時のベテランがリタイアすることで、運転技術が低下し、トラブル発生時の対応ミスで大事故につながった例も指摘されていた。
 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3294.html
 この企画自体は悪くないと思うが、もう一歩踏み込み不足の感がする。
 私が指摘したいのは、一つは経営者なども含めて、現実の物に関する感性の低下である。もう一つは、運営に当たる人材に関する問題である。
 まず現実の物に関する感性の低下と言うのは、番組でも取り上げていたが、現場の人間が危ないと言っていても、補修の対応がなかなか行われないという状況が物語っていると思う。紙の上や、液晶画面の上でしか見たことのないものは、現場に言った時の振動・熱気や音などから伝わる、機器に関する感性が弱くなる。もっと言えば、ステンレス管と言う記号だけで考えていると、これは錆びないもの、永久に使える物との思い込みが発生する。リアルなものを観ずに、パソコン画面のヴァーチャル世界でしか考えないとこのような事態が発生する。
 ただし、学生時代に工学部で真面目に学んでいれば、専門的な基礎教養として、材料力学なども学ぶはずだし、その中では鉄でも色々な形で破壊すると言うことを、学んでいるはずである。このような知識を、活用して、蒸気などの力も理解した場合には、経年変化によるものの破壊と言うことに関しても、少しは感性が働くのではと思う。
 これは、経理など文系の仕事でも、鉄やステンレスでも破壊することはあると言うことでしっかり学んでほしいことである。

 さて、もう一つの運営に関する人材の問題であるが、これにはもっと深い問題がある。現在リタイアして年代で、運営にあたった人たちは、多くは工業高校出身者であった。当時の工業高校には、多くの有能な人材が進学し、したがって授業のレベルも高く、機械や化学プラントの一般的な知識を身に着けるだけの、基礎をしっかり学びその上で仕事についていた。
 一方、現在の運営関係者を見ると、大学卒業者も多くなっている。しかも大学進学率の増加と、ゆとり教育などの影響で、高校での学問範囲も低下し、工業高校でも上記に運転に関する基礎知識を身に着けることは難しくなっている。一方、大学の教育は、近ごろは変わったかもしれないが、多くの学校ではまだ狭く深い傾向があり、プラント一般に関する目配りと言うか、感性を育てるには難しいものがある。電気の専門、機械の専門、化学の専門であり、しかも電気でもある特定の現象には詳しいが、一般的な三相交流の扱いなどは、工業高校の教科書を見直さないといけない事態も多くある。
 このように考えると、広く全般を見る能力、現実の物を知る教育、特に物は壊れると言うことを知る教育を行わないと、運転には携わることはできないと考える。

 就活中の学生さんは、このような広い観点を学ぶ姿勢を示すのも、ひとつのPR事項と思う。

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