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2013年9月18日 (水)

学問全体に関して考える

 先日から、ちくま学芸文庫の『数学のまなび方』読んで色々と考えている。
 今回は、幾何学について、もう少し検討を深めたい。この本のp97~p100に幾何学の4段階説がある。これをもう一度述べると以下のようになる。

  1. 直観的経験的段階:小学校 図を書く、重ねるなどの経験
  2. 局所的論証の段階:中学校 同じ図形の条件を証明する
  3. 体系的論証の段階:高校  ユークリッドの公理体系で証明
  4. 公理的段階:大学       ヒルベルトの公理体系で直観を排除

この各段階を、科学的思考法を習得していく段階、として考えると、一つの基本パターンとして他でも応用が利くと思う。

 まず小学校の直観的思考法では、現実の世の中にある色々な物を、抽象化し点と線の図形で記述することを学ぶと言うか、経験する。そして、一般化した形で、
 『動かして重なるから同じ』
と言う形で経験的に、理解していく。また縮尺図を描いて予想することで、相似や比例の概念を直観的に学んでいく。
 次に中学の段階では、上記の移動して重ねることができる条件として、三角形を例として合同の条件を学ぶ。例えば、3辺が同じなら、合同になると言うことを、円の交点が対称な2点しかないから、同じ図形になるなどで、論理的な証明の経験をする。
 そして高校では、いよいよユークリッド幾何学の体系を学び、少数の公理から、多くのことが導き出されることを経験する。ここでは、確実な物というものは何かが、公理から導かれるという形で、しっかり理解できる。ここで考えておくべきことは、ユークリッドの公理系は、平面の幾何を記述するには、完全と言う点である。数学の立場では、群論等の不完全な公理系の拡張性を好むかもしれないが、実務を行う立場では、完全な公理と言うことは大切である。
 そして最後の、大学レベルのヒルベルト幾何学では、直観や操作に独立な、公理系だけでの体系が示される。この段階で、抽象システムだけで、完全な系と言うことを、体験することができる。
 こう考えると、幾何学を立てて学ぶことは、工学を学ぶ場合にも重要であると言うことが判る。いまさら恨んでもしかたないが、私たちの時代の数学教育は、色々大先生に弄り回されて、高校でユークリッド幾何学を学べなかった。非常に遠回りをしたと今でも恨めしく思う。

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