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2014年5月15日 (木)

研究におけるマネージメント(倫理と哲学)

 何時も貴重な意見を頂くInoue氏よりまたもや大切なコメントと参考資料を頂いた。この話は、色々な側面があるが、まずメーカーに一度身を置いた立場としては、企業における倫理は、それなりのものがあると言うことを、一言述べさせていただきたい。つまり企業の研究者は、企業人としての倫理にまず縛られると言うことが前提である。これは、大学人などのアカポスの人から見れば、窮屈かもしれないが、生活の安定と言うことの代償でもある。
 さらにもう一つ、加えさせていただくと、技術経営と言うことも、企業経営の中の一側面である。そして、経営者にはそれなりの倫理と、経営哲学が要求される。従って、意識しているかどうかは別として、技術に関してもそれなりの哲学があるはずである。
 ここまでは、建前で格好の良いことを書いた。これが実際にできているのかと言われると、色々な物が出てくるだろう。(苦笑)

 しかし、一つだけ、よさそうな事例を述べさせてもらう。前にこのブログで、理研と産総研の比較をした。これは、理研にたいする嫌味の要素で比較したのだが、技術哲学の実行に関して、産総研の前の野間口有理事長が、三菱電機時代に大きな成果を上げていたことを指摘しておく。彼は、研究所育ちで、工学博士の学位を持ちながらも、三菱電機ではトップに上り詰めた。そして、事務部門などを含む広い範囲に、自分の哲学を持って、指示し三菱電機の改革を成し遂げた。事務屋等の「聖域」まで踏み込む改革もトップダウンで実行した。
 このようなトップがいる産総研なら、事務方に振り回されることはないと思う。もっとも、経済産業省系の事務方は、文部科学省系の事務方より、研究者を機嫌よく研究させるというのは、某大学の工学部の先生から聞いた話であるが・・・

 少し脱線したが、もう一つ科学哲学については、もっと大学で、科学哲学者がしっかり発言してほしいと思っている。さらに言えば、経営学者も大学の経営に関して、一過言あってもよいと思うが、学問の在り方に関して、哲学者がきちんと発言して、しかもそれを、せめて学者世界には、納得させることが、できるようにしてほしいものである。

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コメント

2010年の理研ニュース(http://www.riken.jp/pr/publications/news/2010/ http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/publications/news/2010/rn201001.pdf)にて、野間口産総研理事長(当時)と野依理研理事長が新春対談しております。
産業における研究、科学における研究、両者における課題は「内向き思考についてどう改善を図るか?」「若い研究者をどう育てていくか?」と言う事を挙げいらっしゃるのだと思います。
個々に見ると、前者は、「研究成果の事業化を推進していくにさしあたって、研究部門、事業部門、双方のフラストレーションの蓄積を低減させるには、どうすればよいか?」「どのようにして、一方通行のコミュニケーションから双方向のコミュニケーションへと改善を図っていくか?」。
後者は、「共に異質である科学研究(不確実性、公開性)とイノベーション(「目標管理」や「知的財産権の保護」、「私的資金の調達」)との整合性が未確立の為、今後どのような道筋を考えて、進めていくか?」「広い世界観を持った個人、グローバルな視点を持ち実行力のあるリーダーをどう育成していくか?」。
今回、理研の対応は、ユニットリーダーを若い研究者に任せたのも含め、問題点が生じた、先走りし過ぎてしまった、反動が大きかったのではなかろうかと思います。

何時もコメントありがとうございます。
ご指摘の対談は意味深ですが、私が言いたかったことは、理研の場合には、文部科学省的発想の、事務部門が研究者のサポートとコントロールに失敗した。(控え目な表現)と言うことです。
そして、野依理事長もこの官僚的な動きを抑えきれていないと思います。
一方、野間口理事長は、経産官僚に対しても、そう負けるような大人しい人ではありません。
この面は一つあると思います。
ご指摘の、ユニットリーダーに任せ過ぎは、人選なども含めて、体質的な問題でしょう。企業的発想なら、小保方+管理のできる人と言う、二人三脚で成果を出すべきだったと思います。
これはまたゆっくり考えて文章にします。
ありがとうございました。

確かに、野間口氏でしたら、人材を生かす方向で行動を示しそうですしね。
http://president.jp/articles/-/3749

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