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2014年8月12日 (火)

基礎研究と応用研究

 文藝春秋の最新号を見て、色々と参考になる記事があった。
 http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/1089
 特に、森健「小保方晴子 三つの顔」で、著者が指摘した、『基礎研究者』と『応用研究者』のSTAP論文に対する姿勢の違いは、私が今まで明確に意識せずに議論してきたことを、明らかにしてくれた。今回、この基礎研究と応用研究の軸で、研究姿勢などについてもう少し突っ込んでみたい。なお、私は工学部出身なので、立ち位置は応用研究の立場である。しかしながら、諸般の事情で基礎研究の立場にも、少しは理解があるつもりである。また、企業の立場で、新入社員の教育を長年行っていたので、基礎研究的姿勢から、応用側への転換についても少しは解っている。
 さて、基礎研究と応用研究の大きな違いは、応用研究は外部の人間が、評価しやすいという点にある。今回のSTAP細胞に関しても、応用研究者であるヴァカンティ教授たちは、「とにかく見込みのある現象が見つかったのだから良い」
と言う発想であった。つまり、万能細胞の可能性は、多くの実用化の可能性と言う、フロンティアがある。これを特許化することが重要との考えである。
 一方、基礎研究者は、基礎的な分野だけに、研究者内部での評価が重要である。このためには、再現性の確保された実験等の、しっかりした手続きを守ることが大切である。もう少し踏み込めば、科学者として認められた人間の言語で思考し、科学者の倫理・論理に従って行動し、その上で科学者言語で発表した人間の言うことしか、受け入れない世界である。
 この基礎研究者の立場は、傲慢な排他性に見えるかもしれないが、有名な数学の一例で考えれば、納得のいく部分もある。フェルマーの最終定理を考えて見よう。これに関して、多くのマチュア数学者が、解決したと発表している。しかし実際の解決は、初頭整数論の枠を超え、解析的な処理が必要になっている。(ゼータ関数の特別な性格を使用するらしい。?!)このような概念が理解できない人間の排除と言うのは、ある程度の説得力がある。もっとも、素数定理等の初等的証明を持ってくる人もいるかもしれないが・・・

 さて、今回のSTAP論文に関しては、応用研究者が、基礎研究的レベルで認めて貰おうとして、失敗してまった事例になる。しかしながら、実験手順の記録など、不十分な部分はあるが、何らかの現象が起こっていることは認めるべきであろう。
 前にも書いたが、超能力者がES細胞となんやらを混合したという説明より、小保方流のSTAP現象と言う事象が起こっているという説明の方が、まだ信憑性がある。ただし、STAP論文の説明自体は、検証に耐えるかは疑問である。
 私の考えでは、小保方氏の再現実験データは、完全公開しその上で、周知による仮説の結集を行えば、もっと大きなものが出てくるのではと思う。

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コメント

森健「小保方晴子 三つの顔」、私も一読致しました。
読後感と致しましては、
私が以前、コメントで取り上げた日経ビジネスの記事(シリーズ検証 STAP細胞、失墜の連鎖)の読みとり方
http://manabizz.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-1f8f.html
に、どこか通ずるものがあると感じました。
今回正体不明さまのblogにて、基礎研究と応用研究についても取り上げておりましたが、
"目標が比較的明確な応用研究"と、"個人の発想や独創性に基づく基礎研究"
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/hyouka/haihu04/siryo1-3.pdf
を峻別する
http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2014012800003.html
のは今も昔も難しくなりつつ状況の中
http://d.hatena.ne.jp/kosuke64/comment?date=20130813
http://www.cistec.or.jp/service/houtaikei_saikochiku_data/1406-sankou.pdf
において、
理研の発展歴史
http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1001759765.html
を踏まえると、
大河内氏は応用研究を、
野依氏は基礎研究をメインに据えていると考えられます。
さて、今回現代思想の特集
http://d.hatena.ne.jp/martbm/touch/20140803/1406997766
http://blog.zige.jp/zassou/kiji/696744.html
http://blog.goo.ne.jp/hamanashigaku/e/c98a49d1ec00ea226372ff5c4b0dbd68
でも触れられている"秘密主義"に対して、親和性があるかどうかを仮に考えたならば、
応用研究では、
http://wired.jp/2001/03/08/%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E7%89%B9%E8%A8%B1%E3%81%AF%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%81%AE%E9%80%B2%E6%AD%A9%E3%82%92%E5%A6%A8%E3%81%92%E3%82%8B%E3%81%8B/
http://www.nisri.jp/dor/report/2012/top_page_Mohri.pdf
の様にパテント、発明に代表されるように、親和性があり、
逆に、基礎研究では、
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-21-h-2-1.pdf
http://acc-holy.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/pickup-senten-6.html
"秘密主義を排除"ないしは"過度の国家主義・秘密主義が持ち込まれないような配慮が必要"つまりは、親和性がないと考えられます。
秘密主義に対して、基礎研究、応用研究、それらの転換の立場、そして共同研究促進体制の立場において、正体不明さまが何か考えることがあれば、それを記事にして頂ければ幸いかと存じます。

Inoue様
何時もありがとうございます。
基礎研究の話は、形式主義の発生理由に持ち込みたいのですが
まだまとまりません。
秘密主義に関しては、一部は考えているものがあるのですが、
今回の事件がらみでは、もう少し表現を考えるべきか少し迷っています。
少し時間を下さい。

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