責められた場合の対応 ー誰が笹井芳樹氏を殺したかー
理研CDBの笹井芳樹副センター長の自殺に関し、昨日から各種メディアの報道が大きく取り上げている。これを見ていると、何か手のひら返しを見ているような気がして、あきれる場面も少なくない。昨日の報道によると、笹井氏を失ったことは、日本の再生医療研究に関して、大きな損失であり、ES細胞の研究にも支障を来す、と言う風なトーンである。
しかしながら、その同じ口で、つい先ごろまで、
「理研の体質の問題、CDBは解体せよ、笹井氏の責任は免れない。」
と糾弾していたのではないか。特に、CDB解体や、笹井氏の責任を問うと言うことは、笹井氏に去れと通告していたも同然である。
そのような発言をした、同じ口で「惜しい人を亡くした」と言うのだから、この国のメディア等の見識を、疑わざるを得ない。
特に、笹井氏は10日ほど前から体調を崩したといっているが、その時丁度NHKスペシャルで、STAP論文追求した事実も、しっかり検証すべきであろう。小保方氏への取材も含めて、NHKは「悪人の追求権を持った」と認識していたのではと思う。
なお、堀江貴文氏の自らの体験を踏まえた意見は、重く受け止めないといけない。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jcast-212430/1.htm
しかしながら、組織を守るという立場では、身を持って世に訴えるという行動も、時には存在する。笹井氏の行動は、少なくとも再生医療の現状に対して、一部の魔女裁判的攻撃から、冷静な世間の判断に引き戻す効果があったと思う。
このような、状況まで至った真因の一つは、今の学界・大学文明の、
「コピペは犯罪」
と言う、安易な発想があると思う。人を安易に犯罪者呼ばわりする危険性に関しては、このブログでも何回か取り上げた。もう一度この件に関しては、文部科学省が真剣に検証してほしいと思う。大学の講義、課題に本当の価値が見いだせず、学生はコピペに走る。それを押さえるために『犯罪と脅迫する』この図式はひどすぎる。
さて、STAP細胞の検証に関しては、ここまで来ると、手の汚れていない大物の、介入が必要ではと思う。具体的には、京大の山中教授の指揮下で検証すべきではないかと思う。
理研自体も手が汚れたし、犯罪者呼ばわりした学会も、かなり手が汚れている。その点、山中教授は、発言に慎重だし、小保方氏に対しても比較的暖かい発言をしている。このような人が間に入らないと、この話は収まらないと思う。
« 学者の優位性を紹介する | トップページ | 笹井芳樹氏の理想について »
コメント