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2014年8月13日 (水)

研究における秘密保持について

 先ほど、Inoue様から頂いた、『秘密主義』のお題に関して、もう少し書いてみたい。
 まず、秘密主義に走る動機について考えて見る。大きな理由は、他者に対する優位の確保である。ここで、現実的利益と精神的なものに分かれる。精神的なモノは、多くは他人に批判されずに済むというものがある。知らない者は、崇め奉れという発想である。教師の、赤本を生徒から隠すなどが一例であるが、今回はこの話はこれ以上触れない。
 一方、現実的利益に関しては、一時的利益と継続的な利益に分けて考える。一時的利益とは、要するに先陣争いである。これは、先に発表したという名誉と、特許権と言う現実の利益の両面を同時に考えないといけない。なお、基礎的な研究の場合には、特許権より名誉の方に重みがかかるが、応用研究に関しては、特許の方が実質上大きな意味を持つことも多い。なお、特許に関しては、出願することによって、情報公開となるので、その時点での秘密保持はできなくなる。このため、製造KnowHowなどは、特許を出願しないこともある。このため、当然論文などを書くこともない。
 秘密保持は、企業から資金援助を受けた研究などでは、さらに複雑な問題になる。このように考えると、応用研究の方が、秘密保持がうるさく、基礎研究の方が、フランクに話し合うようになる、と言う図式が出てくる。確かに、基礎研究においても、先行争いがある場合には、秘密主義が起こる場合もある。また、補助金獲得競争の場においても、競争相手に不意打ちを加えるという魂胆で、秘密主義に走ることもある。(日経ビジネスのSTAP特集の一幕を想い起されたい)

 さて、今回のSTAP論文に関しては、アメリカの特許が絡んでいる。ハーバード側の、特許戦線に対し、理研側も上手に交渉した。しかしながら、そのために時間期限が切られてしまい、拙速のために種々の問題が生じた。これは悲しい事実である。
 また、バカンティ教授の関係もあり、守秘義務が生じてしまったので、論文検証が不十分だったというのが、多くの人が言う今回の『公式』意見である。

 しかしながら、皮肉な言い方をするが、理研内部の研究会で、小保方氏が発表した時、その問題点を適切に指摘し、指導できる人がどれだけいたであろう。今の立場では、『顔が気に入らない』『言い方が気に入らない』なども含めて、多くの否定的意見が出ている。
 しかし、若山教授の弁ではないが、『ハーバード大学の実績などを信じるしかない』と言うのが、正直なところではないかと思う。

 ただし、理研内部での発表会、さらに国内学界の発表などを、一度でも経由していれば、発表会参加者の仲間意識が生じ、もう少しSTAPサポーターが増えたような気もする。

 秘密保持に関して、少し脱線したが、長くなったので一区切りする。

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コメント

blogの内容を鑑みつつ、
大沢 文夫氏の指導者としての役割
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%B2%A2%E6%96%87%E5%A4%AB
http://www.biophys.jp/dl/journal/50-3.pdf
http://www.natureasia.com/ja-jp/mentor
http://www.natureasia.com/ja-jp/mentor/lifetime-award
http://www.natureasia.com/pdf/common/mentor/ndigest.2010.100110.pdf
アメリカのテニュアトラックにおけるメンタリング実施状況に関する報告書
http://www.okayama-u.ac.jp/user/jinji/diversity/up_load_files/h26_men.pdf
や文藝春秋の最新号を踏まえると、
"良きメンター(指導者)、良き科学者とはいかなるべきか"
と考えさせられる内容かと存じます。

Inoue様
何時もありがとうございます。
メンターレベルでの教育は、小保方さんに
無かったでしょう。
唯小さな器の指導者に、押し込まれたら
 「犬の鳴き方研究」
しかできなくなる。
指導者の絶対的人数も含めて、この実現は難しいモノが
在りますね。
なお、秘密の話は、もう少し別の切り口で書いてみます。

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