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2014年10月15日 (水)

自分ならどうする

 青色LED関連の話で、日亜―中村関係の話には、どちらにも言い分があり、どちらにも問題点があると思っている。この話について、色々外から言うのは簡単である。しかし、当事者は、とても苦労したと思う。私も、管理職の研修などを行った立場として、自分が中村氏のような部下を持ったら、どのように対応したか、考えて見た。この話は、管理職の教材としても、難しいが良い題材になると思う。
 この話は、色々な状況が絡んでいるので、各社のその時の状況で、答えは違ってくる。極端な話では、しっかりした特許報奨金の制度があれば、「会社の規定通り払っている」で突っぱねることも可能である。確か、中村―日亜抗争中に、三菱電機の野間口社長(当時)が、私も色々したが規定の報酬貰った、と言う趣旨の発言があった。彼は、クリーンヒータの基本原理など色々な功績があり、自分の特許で会社に貢献しただけに、説得力があった。
 さて、この問題の検討には、そもそも報酬とはなにか、その中で給与と処遇の占める位置を、ある程度明確にしないといけない。このために、マズローの欲求階層図等を下敷きにするのが、一つの考えである。
 http://manabizz.c.ooco.jp/KKyouyou.pdf
マズローの階層では、下位の生存や安全レベルは、正社員としての雇用や基本給のレベルで、満たされている。そこで、今回議論すべきことは、所属との関係(他人が認める)~自分の尊厳、そして今後の自己実現のレベルに関して、どのように満たすかと言う議論となる。
 なお、この検討は、当人だけでなく、周辺関係者への影響も、考慮しないといけない。特に、平等感に関する不平は、今の日本社会では後々問題を起こすことが多い。なお、平等と言っても、『機会の平等』が重要である。

 以上を踏まえて、関係者の意見では二つの、観点で評価する。一つは、彼の成果で自分達がよくなっていることを、皆が納得しているかと言う観点である。もう一つは、彼だけが美味しい機会を与えられたのかどうかである。この2点で疑問があると、厚遇と言うことは難しい。

 さて、関係者がある程度認めた場合でも、どのように報いるかは、難しい問題である。金銭で報いるか、ポストで報いるか、今後の仕事の選択権などで報いるか、このような選択肢がある。ここで、従来の日本的解決では、金銭的なものより、処遇改善で報い、その地位に従って仕事の自由度を増やすという形が、多かったと思う。これには、金にいやしい、などと言う発想も影響している。しかし、私の考えでは、結局一時金が、一番簡単な解決になると思う。もっと言えば、利益の何%を、どの期間は、賞与に反映するなどでもよい。
 往々にして、このような成果を出す人間は、思い込みが激しく、部下をつけると潰すことが多い事例を見ているからである。また、仕事の自由度は、他の社員にとって、『機会の平等』を益々奪うと言うことで、さらなる嫉妬やモラル低下を導く可能性がある。
 このように考えると、しっかりした説明を行った上で、一時金などで解決するのも一つの方法ではないかと思う。

 あまりまとまりがよくないが、このような考え方も参考にしてほしい。
 安易に、ポストを連発するのは、後々の禍根を残すことになる。管理者・経営者には長期の視点が必要である。

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コメント

200億円判決の喧騒の中で関係者に共通する認識もある。
第一に知的所有権の対価を合理的に決める新しい制度の必要性を痛感させたこと。大ヒットしたクリ-ンヒ-タ-の基本特許を持ち、現在の社内制度だと数百万円の報酬は得られるはずという三菱電機の野間口有社長は「中途半端な金額の判決ではないので、かえって問題を国を挙げて真剣に議論する土俵ができた」という。
http://homepage3.nifty.com/k-896g/newpage5-3-08.html


周囲の反対も聞かず、ある分野に特化して、自ら信じるところに突き進む、というスター技術者に求められる特性は、組織人として調整型のマネージャーに求められる特性の真逆、とさえ言えるでしょう。

従って、スター技術者を役職者として処遇してもうまく行かない場合が多いのではないでしょうか。
基本的には依然として、管理職として昇進しないと処遇は良くならないのが現実でしょう。これではスター技術者の処遇改善は難しい。
もっとも、技術者の処遇は、米国でも難しい問題です。
米国が日本と違うとすると、労働市場が流動的ですから、こうして技術者が会社をやめても、外にたくさんチャンスがあることではないでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/Takeuchi-Lab/touch/20141011/1412981170

技術者は専門性が強いというのは、「手に職がある」反面、「つぶしがきかない」面もあります。
http://d.hatena.ne.jp/Takeuchi-Lab/touch/20141011/1412981170

文系の銀行員や公務員はどうしてもスキルが日本固有なものになりがちで、言葉の壁もあって転職先は日本。一方、技術には国境がありませんので、技術者の海外への転職が目に付くようになったのではないか。
最近、「女性活用」と言われていますが、「女性を活用できないこと」と「エンジニアを活用できないこと」には根っこに同じような問題があると感じています。
http://d.hatena.ne.jp/Takeuchi-Lab/touch/20141015/1413327084

現行の日本型雇用慣行を維持する限りは、その姿に憤っていたワカモノたちの少なくない割合が、数十年後には「使えない中高年」として辛い思いをすることになります。
http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-628.html

話を戻すと、東芝と争った舛岡氏の辞める前のポストhttp://www.lec-jp.com/h-bunka/item/v240/pdf/200406_20.pdf
http://www.takeda-foundation.jp/reports/pdf/ant0104.pdf
や多様性をどう考えるかかと。

Inoue様、何時もありがとうございます。
確かに、中村訴訟の社会的意義はありましたね。
今回も、技術者処遇などの議論も出てくるでしょう。
もう一つ言えば、赤崎・矢野先生の方から、産官学の
再評価も出たりして。
ただし、日本企業にいる間は、ローリスクです。
生活の安定があります。一部、ポスドクの悲惨な生活と比べれば
雲泥の差ですね。
これを理解せずに、勝手なことを言う「天才」には
腹の立つことも多いですね。
白隠禅師の周りにある、多くの不成功者の墓、
これがアメリカ式ハイリスク研究失敗者にあるのではないかと思います。日本の企業内研究者は甘いです。
なお、技術者と女性の問題は、また別の所で書かせてください。

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