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2014年10月30日 (木)

大学に関する議論について

 Inoue氏に紹介いただいた情報は、それぞれ興味深いモノである。まず最初の、東京大学の本郷隆氏の論文から、議論していきたい。
 http://www.sllr.j.u-tokyo.ac.jp/07/papers/v07part06%28hongo%29.pdf
 私が、これを見た最初の感想は、如何にも東大法学部と言う感じであった。歴史的経緯を踏まえて、手堅く議論を展開する。日本の官僚制度を支えてきた、人財育成はこのようなものかとも思った。
 さて、この論文で私が興味を持ったのは、カントの大学論である。

カントは、学部を上級と下級に分け、神学部、法学部、医学部を上級学部とし、哲学部を下級学部とする。そして、社会的有用性を旨とする上級学部と、理性の自由を旨とする下級学部は知の成り立ちが原理的に異なると考え、両者を峻別する。
~一部略~
カントは、下級学部に、上級学部のすべての学説について、その真理性を吟味に投ずることを要求すことができるという位置づけを与え、下級学部を「大学の中心」に置こうとしたのである。

この観点で、現在の大学を見直すことは重要ではないかと思う。現在の大学では、全体を見通した議論が上手くできているとは、思えないことがある。これは教育行政全般に言えることである。その一つの理由は、学問間の「悪平等」があるのではないかと思う。つまり、カントの言う「哲学」のように、学問の基礎として、全体に対して発言し、評価できる学問の存在が、薄れたため、各人が勝手なことを言う、教育行政のダッチロールが生じたのではと思う。
 まえに、アメリカでは「哲学の出身者」は、基本的な議論がしっかりしているから、企業が喜んで採用する、という話を書いた。
 日本の哲学に、このような働きを求めたいのだが、どこか違うように感じる。東大教養部の、リベラルアーツへの動きの方に期待した方がよいのかもしれない。

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