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2014年12月 9日 (火)

技術経営について考えて見た(信頼性関連)

 昨日の、「盛る」生産革命で日本一人負けに関連して、信頼性に関する戦略的な対応を考えて見た。最初に考慮すべきことは、どのようなものでも壊れることを考慮しないといけない、ということである。信仰ではないのだから、「絶対安全」などと言うお題目でなく、「どのような条件では壊れます。しかし運用上そのような条件は発生しません。」と言う客観的な検討が必要である。
 鋼鉄の棒でも、ある力で引っ張れば切れる。コンクリートでも、ある力で押さえつければ壊れる。このようなことを考慮しないといけない。大学で、工学を学ぶときは、電気や機械の学科では、最初に材料力学を学ぶ。そして、材料力学の教科書の最初にあるのは、鉄などの素材が、どのような力を書ければ変形し、切断に至るかの話である。
 さて、今回は、一様な鋼鉄の棒ではなく、鉄などの素材をレーザー加工で溶かしつけていく作業である。直観的には、連続的に溶接をしているような感じである。このような素材の強度と壊れ方に関する、基礎的な学問や研究は現在あるのだろうか?溶接や冶金の基礎知識に、何か加えたものが必要ではないかと思う。このような基礎研究は、企業が行うのか、大学が行うのか、または産総研等の研究機関が行うのか、この面での議論が必要である。なお、大学や研究機関の成果を理解し、実用化するためには、企業側もそれなりの基礎の蓄積や、人材の育成配置が必要である。技術経営では、このような配慮も必要であると思う。
 なお、「盛る」生産方式では、まだまだ検討すべきことがある。日経ビジネスの記事が指摘したように、3Dプリンタの要領で盛る場合には、中空構造などが、自由にできるという利点がある。この構造の自由化で、得るものは大きいと予測するが、その一方で複雑な応力集中での壊れ方も考える必要がある。この件は上記素材の特性も含めて、色々と考慮すべき課題がある。但し、この件に関しては、3Dプリンタと関連して、成形のCADシステムがあるはずなので、その中で応力などの計算をして、力のかかり具合を見ることは可能だと思う。ただし、3Dプリンタの精度にもよるが、本質的にディジタル制御なので、表面に微妙な段差が生じる可能性がある。そのような不連続点で応力集中は、危険性として考えるべきであろう。
 さて、もう一つ信頼性に関して、経営的に見るべきことは、時間軸での評価である。このような素材の経年変化に関しては、まだ実績がない。しかし、素材の状況をしっかり研究すれば、加速試験の条件設定はできるだろう。これが、信頼性保証の大きな強化点となる。どうすれば、時間軸を加速するか。半導体なら、温度で加速する。この金属加工はどうする。温度サイクルの変化は一つの可能性である。振動を与えるのも効果があるかもしれない。このような研究から、この合成方式の弱点も浮かび上がるであろう。弱点を見えるようにして、如何にカバーするかが開発である。
 そして経営的判断としては、この技術の有用性を見て育てるなら、壊れても致命傷にならない部分から使い始めて、徐々の実績データを積むことも大切である。上手な失敗をしながら、技術蓄積を行う。これが本当の技術経営だと思う。

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