ご縁のあった人たち

無料ブログはココログ

« STAP細胞に関する著作 | トップページ | ゲーム的な発想を実際の社会で生かす »

2015年2月 6日 (金)

科学者の世界を治めるものはだれか

 昨日の記事に関して、Inoue氏から貴重なご指摘を頂いた、深く感謝する。
 さて、ご指摘の内容は、日本学術会議会長も経験された、研究開発戦略センター(CRDS:Center for Research and Development Strategy)の吉川弘之センター長の色々な機会での発表である。私は、この内容に関しては、多くは同意する。特に、東洋経済に書かれた、生命科学全体に関する違和感は、このブログにも書いたが、学会の機能として大きな問題があると思う。
 http://toyokeizai.net/articles/-/37841?display=b
 http://manabizz.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/stap-b486.html
 これに関して、元理研の研究者が、小保方晴子氏を刑事告発したが、これも大学紛争時代経験者には、考えられないことである。如何に学問の自治を守るか、これに関すしては、多くの人たちが悩んでいた。例え暴力行為であっても、警察の介入を嫌った例も少なくない。今回の刑事告発と言う手段は、考えにくいものがある。

 さて、ここで少し風向きを変えるが、研究全体のあり方について、吉川先生の発言が目立つということ、ここには少し違和感がある。確かに先生は、日本学術会議会長も経験され、日本の研究者のトップと言う立場であることは、間違いでない。
 しかし、先生は工学系の大家である。つまり、応用研究の分野の出身である。従って、本質的に、社会の応用やシステム的な発想は、重視する文明の育ちである。このような立場の先生に、基礎科学のあり方を指摘されるとは、基礎研究の人たちは、どう考えているのだろう。
 もっと言えば、科学哲学の立場からも、提言や生命科学の研究姿勢に対するお叱りがあってもよいと思う。何か日本の哲学者は、自分達の枠に閉じこもり、外へ発信する姿勢が弱いように思う。アメリカでは、一般システム思考の指導者の一人の、ワインバーグは哲学科に所属していたと聞く。この違いは、日本とアメリカの哲学科出身学生の就職にも響いている。アメリカでは、哲学出身者は、思考能力を買われて、就職口には困らない、一方、日本の場合には、多くは「変人の可能性のある哲学出身者」という見方も少なくない。ここまで行かなくても、「仙人」と言う感触もある。
 これをもう一歩踏み込むと、「哲学者の戦争協力問題と戦後の追放」と言うタブーがあるかもしれない。しかしここを踏み越えないと、この国の科学の飛躍は難しいと思う。

« STAP細胞に関する著作 | トップページ | ゲーム的な発想を実際の社会で生かす »

コメント

blogで取り上げて頂きありがとうございます。
村上陽一郎氏
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/716.html
は"ネオタイプの科学者ばかりに少し偏っている"と仰られているのを裏付けるように、
若手研究者支援に関するアンケート結果
http://philosophy-japan.org/ja/879/
から
http://philosophy-japan.org/download/891/file.pdf
のID=30
http://philosophy-japan.org/download/888/file.pdf
のID=29(1)
http://philosophy-japan.org/download/876/file.pdf
のID=41
http://philosophy-japan.org/download/884/file.pdf
のID-88
にて日米の違いやこれまでの反省が触れられております。
また、米国の科学哲学会と
http://pssj.info/program/program_data/39/39ws/Matsumoto.pdf
(http://pssj.info/program/program_data/39/39ws/39ws.html)
と日本の科学哲学会
http://pssj.info/program/program_data/47/program47.pdf
(http://pssj.info/program/program.html)
との違いも鑑みつつ、
最近英国の哲学者
https://www.dur.ac.uk/resources/cells/events/DurhamCELLSprogramme2014.pdf

http://www.analyse-und-kritik.net/2010-2/AK_Carrier_2010.pdf
https://www.msu.edu/~orourk51/860-Phil/Handouts/Readings/Hardwig-RoleOfTrustInKnowledge-JPhil-1991.pdf
を参考文献にして
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11948-015-9628-2
を最近書かれたよう(Abstractのみ確認可能)ですが、日本では果してこのような論文が哲学者から出されるのか分かりませんが…。

何時もありがとうございます。
しかし、まだ村上陽一郎先生ですか?
これが日本の科学哲学会が、さみしい理由かとも思います。
東大教養学部、ICU・・・これだけではね。
内容に関しては、もう少し読ませていただき、本文で書かせていただきます。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 科学者の世界を治めるものはだれか:

« STAP細胞に関する著作 | トップページ | ゲーム的な発想を実際の社会で生かす »