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2015年3月 2日 (月)

技術移転について(違いが分かる)

 今朝の日経BP に面白い記事があった。中国の人たちの爆買いを踏まえて、中国の人たちに日本の菓子と中国製のお菓子のブラインドテストをする話である。
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20150225/277983/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt
 この試み自体も十分面白いが、その中で一つ気になる意見があった。

 小袋を開けるとき、他の人は無造作に開けていたのだが、彼女だけは注意深く開けて「あっ、やっぱり!」と叫んだ。ピンクのほうは袋が縦にすっと裂けたのに対し、赤いほうは切り口が伸びてスムーズに開かなかったからだ。こうした小袋の「切れ味」が日中のパッケージで最も違うところだ、と彼女は力説する(彼女は「日系は味は伝えても、パッケージの開け口など、細かい技術まで中国人に教えてくれない。ずるい」ともいった)。

 この話には、色々な側面があり、しかもその一つ一つが大切であるので、ゆっくり考えていきたい。

 

まず、彼女の言う
  「中国人に教えてくれない」
に関して、一言返すと、
  「中国人の幹部が、中国人の部下に対して、勉強させない。」
という側面があることを指摘しておきたい。つまり、このようなKnowHowを持った部下は、逃げて他所の会社で高給を取るから!この発想が、少なくとも私の付き合った、中国の会社にはあった。現場作業の技能訓練や、改善についても教えてあげようと言っても、
 「そのような訓練をされたら、逃げられる。」
と拒否された経験がある。もっとも日経BPの話に出る、この女性は、そこまで理解して言っているのだと思う。何分、政府の批判は直接言えないお国柄だから・・・

 次に、これは日本側の問題だが、使いやすさなどの数値化できないものは、明文化せずに、現場での伝承などで伝わっていることが多い点である。技術として、数値化することができれば、確かに中国的な管理者でも、目標設定とルール化で技術導入できる可能性がある。明示化できない伝承が多い。これが良いも悪いも日本の物作りである。

 さて、この話で「技の世界」の根本にかかわる話がある。もう一度引用するが

小袋を開けるとき、他の人は無造作に開けていたのだが、彼女だけは注意深く開けて「あっ、やっぱり!」と叫んだ。

の部分が、技の世界で上に行ける条件である。このような細部の違いに感性が働くこと、ここから技を磨く動機が出てくる。この感性が、どれほど残っているか、それを認めて育てる環境があるか、日本の物造りの真価はここで試されると思う。

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