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2015年8月23日 (日)

1969年の人材観

 本棚を整理していると、中公新書の加藤秀俊著「人間開発―労働力から人材へ」19669年発行が見つかった。この本の最初の方に、「人手不足」の話が出てくる。しかも単なる労働力ではなく、「しかるべき技能を持った人材」が不足している、と言う議論が出てきた。この話は、今でも通用する問題だなと思い。ほぼ半世紀前の本を読んでみた。この本の内容は、1975年に就職した、私も知らなかったことが多い。
 以下主要内容について書いてみる。まず、才能開発に関して、アメリカの事例を見ている。アメリカの成功例を日本で展開と言う、当時の学風が見て取れる。

アメリカでは、1950年前後からマンパワー理論の研究が行われ、1962年には「マンパワーの開発と訓練に関する法律」により、毎年大統領はマンパワーに関する年次報告を両院に提出することになった。
アメリカの主要問題は、
1.ハイ・タレントの開発問題(トップの人材発掘)
2.青年が実力を発揮できない原因究明(底上げ)
であった。特にアメリカの才能開発計画は『タレント中心』となった。

但し、アメリカの「ハイ・タレント」育成が必ずしも成功したとは言えない。特にIQでの選抜に関しての失敗例や、ハイ・タレント者の動機づけの無視が大きな問題になっている。実は、この「高能力者」のモチベーション維持は、日本でも同じ問題があると思う。もっと言えば、「出る杭は叩く」、「能ある鷹は爪を隠す」ということで、高能力者が活躍しにくい環境をつくる景子すらある。これは、現在でもまだ完全射解決していない問題である。
 その後、日本も含めて教育の問題を書いているが、ここでの教育に関しては、どうも知識付与のレベルを超えていないように思う。特に、新技術についていけない、老人の問題と言う話がある。この本では、電子回路の話で、真空管世代は、IC世代には役立たず、と酷評している。
 しかし、私は1975年に通信工学の修士として、電機メーカーに就職したが、会社の技術蓄積に圧倒された記憶がある。真空管世代の信頼性の蓄積、特にノイズ対策とフェイルセーフの考えをいれた回路設計など、とても大学の教科書の及ぶところではない。

 このように考えると、当時から比べて、経営学などは大きく進歩したと思う。会社の蓄積などがきちんと大学での研究になっている。また学生も、単なる知識ではなく、しっかりした方法論を身につけることで、人財としての活躍が期待できるようになっている。
 このような面をきちんと大学側から発信し、文系学部不要論に対応してほしいものである。

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