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2015年8月 1日 (土)

この国の精神面の流れ

 戦場での兵士の行動について、20%しか本当に敵をねらって打てないという、アメリカの研究がある。しかし、旧日本軍は、もっと実効性が高いように思う。この謎について、もう少し踏み込んで考えてみた。
 まず一つの、切り口は、江戸時代の無住心剣の存在である。この流派は、敵も殺すが自分も死ぬという「相打ち」を極意としている。この流れをくむ雲弘流の遣い手は、その後も肥後藩の藩主の護衛として必ず選ばれている。このように、敵を殺すことにためらいのない、心理面の能力と、竹刀稽古の打ち合いの技とは別物であり、平和な時期には心理面の障壁を排除することが重要であると、当時の人も経験上知っていたらしい。
 なお、無住心剣に関しても、禅の影響がある。

 さて、明治維新時代には、武士に関しては、お互いの命のやり取りは、当然と言う状況であった。しかし、武士階級を潰した明治維新は、その後国民皆兵への道を開いていく。ここで西南戦争が勃発するが、政府軍の兵士は、目をつぶって引き金を引くだけ、一方西郷軍は、敵弾の中でも平然と立って、狙いを定めて有効な射撃を行っていた。結局これに対しては、旧士族の警視抜刀隊を組織して対抗することになった。

 その後の、日本軍の兵士教育は、精神面の教育に重きを置いていく。これと関連して、国家神道を推進し、「皆は天皇陛下の子供」との、言い方で「従順な子供として」指導者に従うように教育していった。
 このような精神面の教育と、軍事的な実務を知った戦争指導者が上手く作用したのが、日露戦争である。日露戦争の日本軍は、ロシア軍の1/3の弾薬で相手を倒している。但し、一人殺すのに400発と言う物量の面も無視してはいない。

 日露戦争後は、国家経済の面も考えて、上記の物量面は急速に抑え込まれていく。その代わりに精神面が強調されるようになる。そして、この様な現実面を知らない、陸軍大学の優等生が引き起こしたのが大東亜戦争である。日米戦でも、初期の段階では、手動の三八式歩兵銃で、よく自動小銃の米軍と闘ったのは、敵に狙いをつける人間が多いという精神面の成果であった。しかし、物量の前に、屈服せざるをえなかったのは、歴史の事実である。

 一方、このような精神教育は、「従順な子供」であるので、一気に変化する。マッカーサーの信者が、戦後どれほどいたか、現在のわれわれには想像もつかないであろう。

 我々も、そろそろ自分の考えを持つ時期が来ているのではないかと思う。

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