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2016年9月 2日 (金)

違いの出る仕事のやり方

 昔、ある番組で、大阪府知事になる前の橋下弁護士が

キャリア官僚たちは、法律について議論する時、大宝律令から調べてくる

と、若干揶揄するような言い方をしていた。私も、仕事を増やすという典型だなとその時は思っていた。
 しかし、法制度というものについて、少し考えると、もう少し深いものが見えてくる。ある東大法学部出身の弁護士に教えてもらった、

日本の国家として全国民を縛る法制度は、
  律令政治→明治憲法→現在の憲法
の3段階である、法律を作り利用するには、この流れを理解しておく必要がある。

という発想である。これを聞いたとき、そんなものかと納得した気分になった。

 しかし、この話はもっと深いものがあるように思う。現在われわれは、日本国憲法を頂点とする、わが国の法体系に守られ支配されている。しかし、現実の複雑な状況を、法律で全て記述できるものではない。そのために、裁判所が下した判例などを読みこみ、理解することもで、どのような線で、違法と合法が解れるか、理解を深める。
 ただし、判例を読むときに、単純に事実関係と法令の条文を読むだけでは、理解は深まらない。現在の法令は、なぜ定まったか、憲法の精神、刑法または民法の精神、そして上位の個別法規の精神を理解しながら、読み解くことが大切である。
 このような論理展開ができるとことが、法的な論理思考ができるということである。

 さて、このような思考法ができるだけでよいのだろうか?ここで、最初のキャリア官僚の、「律令政治まで遡る」思考法の本当の意味が解る。一部の人間は、現在の憲法を唯一絶対の神様のように考えて、そこからしか思考を展開しない人がいる。しかし、国民主権の趣旨に従えば、憲法も生き物であり、状況によっては変更もありうるものである。そして、憲法が生まれた前提になる思想というようなものがある。これを、歴史的な観点で、
  「国家の考え方はこう変わってきた。この延長で~~となる。」
という議論を行うのは、見通しをよくする有効な手法である。
 このような発想は、法律に関する学問をしっかり学び、現在の法体系がどのようにできてきたかを理解すれば、今の憲法だけで考える狭さ、危険性がよくわかると思う。一方、キャリア官僚などは、このような発想ができることで、自分たちの視野の広さを誇るかもしれない。

 確かに視野の広さは重要である。しかし、手法を知らない人間には、教えて理解させる機会を与えることも大切である。現在社会には、このような考え方を教える場が必要ではないかと思う。

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