ご縁のあった人たち

無料ブログはココログ

« 説明力、説得力の訓練について(抽象化の技法) | トップページ | いわゆるブラック企業と学校の関係 »

2016年11月 3日 (木)

幾何学の学び方について(抽象化の技法として)

 昨日書いた、抽象化の技法に関連して、幾何学の成立関連で、もう少し議論してみたい。西洋文明の基礎の一つとして、ユークリッドの幾何学の存在は、ガリレオの物理学的自然学に大きく影響している。そして現在の西洋文明が、物理学的自然観によるものが大きいことも事実である。
 私は、フッサールの本を読んでいると、西洋文明における幾何学の重みをひしひしと感じるようになった。確かに、西洋文明の建築物や、庭園には幾何学的な模様が多くある。しかし、ここで一つの疑問が出てきた。同じように、幾何学的な知識が伝わった、インド文明や中華文明での建築物は、本当に直線などの人工的なモノに支配されているのだろうか?わが国でも、曲尺などを使っているが、木の素材も生かしている。

 この違いを解く鍵は、エジプトの文明にあると私は思う。ピラミッドを見ても幾何学的な直線や直方体などの「作られた形」で構築されている。なぜこのようになったのだろう?

 一つの答えは、エジプト文明における、ナイル川の役割である。母なるナイルは、氾濫することで定期的に肥沃さをもたらした。そのようなナイルの恵みを受けて育ったのがエジプト文明である。しかしながら、氾濫した後では、各人の所有地の係争も生じただろう。そのような状況では、測量術が進化し、その一般理論としての幾何学が育った。これは、一部の幾何学の教科書には書いてある。

 しかし、もう少し踏み込んでみよう。ナイルの氾濫ということは、比較的平坦な土地である。そこでは直線は引きやすいということである。測量したときに、土地の分割などは、直線や四角形などのわかりやすい図形にした方が、係争の時にも仲裁しやすい。幾何学の合同の概念も、土地所有時の面積保持ということでは、大切さがよくわかる。
 このようにして、
   「作られた形」
が現実化していたのが、エジプト文明である。

 このような作られたものの上では、理論形成は比較的楽にできる。

 このように、数学だけでなく、歴史的な社会の状況まで膨らませてイメージを作る。そしてそこから理論構築に必要なものを引き出す。これが一つの抽象化の訓練ではないかと思う。

« 説明力、説得力の訓練について(抽象化の技法) | トップページ | いわゆるブラック企業と学校の関係 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 幾何学の学び方について(抽象化の技法として):

« 説明力、説得力の訓練について(抽象化の技法) | トップページ | いわゆるブラック企業と学校の関係 »