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2017年10月 7日 (土)

過労死問題に対する一つの仮説と対策

 色々な所で、過労死が問題になっている。私も、若いときにはかなり過酷な仕事環境にいたので、そのような状況はよくわかる。そこで、私の経験から、過労死の一つの原因の仮説と対策を提案しておきたい。
 なお、私の経験した過酷な作業は、いわゆる「知的労働」の世界であり、飲食業などの肉体労働での過酷さではないことはお断りしておく。
 私もいろいろな経験があるが、一番最初に経験した地獄が、一般化しやすい事象なので、少し検討してみたい。
 私は、大学時代に「人工知能」の研究に携わり、修士課程を修了してある電機メーカーに就職した。当時は、マイクロプロセッサの導入期であり、その開発を担当することになった。当時職場には、コンピュータの経験者もいなくて、指導する先輩もいなかった。また私の家庭環境の問題もあり、自宅通勤だったので寮などでの先輩との関係もなかった。
 このような環境で、大切なお客様との共同研究の仕事が舞い込んできて、私はその一部門を負かされることになった。そこでは、色々な資料を作成しないといけない。そこで私は、ソフトウエアの知識などは、学会誌の解説や、業界雑誌の情報などできる限り調査し、報告書にまとめた。
 しかし、今ならわかるが、その当時の私には、共同研究の相手先の立場が理解できず、その価値観を推測することもできなかった。従って、図面や文書の名重みづけという『暗黙知』を、理解せずに提出書類を作っていた。
 このような文書は当然、お客様の好みには合わない。しかし、ここが『暗黙知』の特徴である、
  「誰もきちんと言葉で説明できない」
という事態になってしまった。そこで起こることは、お客様は当然不満の意向を示す。すると社内のとりまとめは
  「ダメだしする」
しかし、私は何がダメかわからず、また同じようなことをして、地獄に陥る。
 このような経験をした。このときは、他のトラブルもあったのでこれだけが原因とはいえないが、
  「いっそ死んだほうが楽」
という考えが頭によぎったとことは何度もある。
 さて、今の私なら、どのような解決策があるだろうか。それは、全体像を描いて、当時の私に示すことである。お客様の仕事はこのようなもので、何を大事にしているか、よく知っておきなさい。
 もう一つ言えば、仕事の管理をきちんと行い、
  「あなたは、ここまでは検討しなさい。」
と範囲を明確にする。そしてなぜダメなのかをきちんと説明する。
 この教訓は、管理のやり方が変わったということを、経営者・管理者は知らないといけないということである。今までなら、『暗黙知』は、先輩後輩や上司部下の色々なコミュニケーションで伝達していた。家族経営とまで言うように、一体化した中での伝承であった。
 しかし、これからは、多様化する人材、多様化する勤務者へ、きちんと説明したり、分担を明確化することが必要になる。
 このような説明力、文書火力を管理職の能力評価として入れる、これが過労死問題の一つの回答だと思う。

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