理論と現実の関係
学校などで学ぶ理論と、現実の仕事の関係について、大きく分けて二つの方向が見えた。
- 現実の中で理論が当てはまる部分を探す
- 理論で作ったものに現実の細部を合わせこんでいく
1.は現実のあるものをまず肯定し、それをできるだけ理論で説明する姿勢である。場合によっては、理論的な見通しを使って、改善することもある。これは保守的な態度である。
2.は、まず理論による理想像を作る。それを現実に適用するためには、色々なすり合わせが必要である。この部分が必要と認識できていない人が多い。現実と適合させるためには、種々の妥協が必要になる。これを見ながら落としどころを探る。これができなければ、理論は空論になる。
にも、「すり合わせ」について少し議論したが、成果物を想像し、その動きを色々とシミュレーションしながら、現実との交わりを見て調整していく。このような力が必要になると思う。
社会学的想像力について議論したミルズは「知的職人」という言葉を使っている。
このようなスキルは、まさしく職人技かもしれない。
ただし、これを理解できず、理論だけを振り回す人間がいることは、嘆かわしいが現実である。
「足に合った靴を求めるのではなく、靴に足を合わせろ」
が、旧日本軍の発想らしいが、どうもこれを振りかざす「理想を言う理論家」がいるように思う。
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