10年前の記事を見て技術の進歩と自分の理解を見る
昨日このブログのアクセスを解析していたら、
「数学と物理学の本棚を見て」
という、2009年の3月に書いた記事にアクセスがあった。
この記事は、
「数学や物理学の教科書に、従来なら否定された直観的要素が入った。」
ということで、驚いて書いた。しかし当時の私の知識では、なぜそうなってきたかということについて、きちんと説明ができたいなかった。
現在この記事をもう一度読み直し、今の力で説明してみよう。私の仮説は以下のようなものである
- 数学において抽象的な思考法の強調が必要なくなった
数学の体系的な知識整理ができたので抽象化の強調はいらない
数学体系だけで思考できる人が増えている - メディアの変化で図などを用いた直感的思考が増えてきた
この2面があるように思う。現在の数学の教育は、かなり行き届いているので、代数的な処理で多くの問題が解けるようになっている。ここで代数的という表現は、機械的な書き換えと言いなおしてもよい。つまり抽象的世界で自動的に解決できる問題が増えているし、これが教育で伝わっている。
逆の見方をすれば、数学の土台にあった「現実的な問題での計算」などの具体的・直観的なモノとのつながりが緩くなっている。
一方、印刷の世界でも、図の処理が楽にできるようになり、直観的な解説が楽にできるようになっている。このようなメディア面の変化の影響も大きい。
私も、このブログを10年以上書いていると、色々の考えが絡まってきて、見えてくるものがあることを、あらためて実感した。
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