説明力は自分の中の他人を感じたときから強化される
昨日書いた、納得するための話に関連して、今日は説明力という問題を考えてみた。
昨日も書いたように、私は若いときにはコンピューターのソフトウエアエンジニアであった。その時、未経験の機種で新しいシステムの経験をすることになった。そこでは何もかもが判らなく、必死で納期に間に合わせるため、毎夜遅くまで残業する状況であった。そのような厳しい状況で仕事をしていると、色々とみえてくるものがあった。
その中でも大切なことは、
「過去の自分、未来の自分は、別の人間」
という感覚である。具体的に言うと
「今、解ったと思っていることが、明日になると解らなくなる。
なぜ解ったと思うのか理由が見えない。」
という体験である。これは、色々なことを行っていて、多量の情報を処理しているために、忘れることも多いのが一つの理由である。
そこで。
「一度、解ったと思うことを忘れないで、後の自分に伝えるために
文書にきちんと残しておく。但し、多忙な中で、体力も温存するためには
最低限の負荷で行う。」
という考えで、文書化を行った。
そこで考えたことは、
「未来の自分という読者を想定し、そこで必要最低限のものを記述する。」
という体験である。
この経験では、どちらも自分なので、ある程度の検証ができたので、読者想定をブラッシュアップすることもできた。
このような読者を想定して、その上で説明するということを、自分なりの評価と改善を加えて行ったことは、説明能力の向上に役立ったと思う。
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