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2019年5月21日 (火)

終身雇用制度の限界に関して

 経済界の幹部などから

  「終身雇用制の限界」

に関する話が色々と出てきている。

 この議論を今更行う必要があるのか、少し考えてみたい。私の感触では、海外への依存が高くなり、しかも非正規雇用への依存も高くなった時点で、終身雇用制度の崩壊は始まっている。もう少し言えば、就職氷河期が発生したのは、団塊世代の『終身雇用制度』という既得権を守るために、若い世代の雇用を押さえたことが一つの原因である。この時点で、終身雇用制度の見直しを行っておけば、今の企業体質はもう少し強固なものだったかもしれない。

 さて、終身雇用制度の崩壊に関連して、

  「企業内技術蓄積」

をどのようにするかという議論が必要と思う。これをもう少し具体的な事例で書いてみよう。某読売テレビの、悪名高い「そこまでいって委員会NP」の中で、スタイル抜群と言われているKアナウンサーに対して、辛口司会のS氏がボソッとつぶやいたことがある。細部は忘れたが主旨は

 「もし同一労働同一賃金の原則が適用されたら、スキルの低い子を育てることもできない。」

であった。この時のKアナウンサーのひきつった顔は見モノであった。実は、この二人は別番組で一緒に出てS氏に

 「Kアナは可愛らしさはあるが現在のスキルは低い、Nアナは新人の時から完成していた。
  キチンと尺に合わせることができた。」

と言われていた経緯があり、未完成の者が、仕事を通じて育成されるという、継続雇用のありがたさをKアナは感じていたのだろう。

 また別の事例では、1980年代にあった議論で

  アメリカのソフトウエア・プロジェクトはPASCALを使う。大学教育の結果!
  日本のソフトウエアプロジェクトはFORTRANかCOBOLを使う。社内蓄積がある!

という事例もある。

 このように、終身雇用制度の崩壊に関連して、社内蓄積の見直しを考えているのか?これが現在の論点だと思う。

 但し、この蓄積が足を引っ張る可能性もある。例えば、自動車業界では、電気の利用に大きく舵を切っている。電気の技術者、特にモーターなどの機電系と、それを制御するエレクトロニクスの両面の解る技術者が必要になっている。このように、人財構造の変化時に、既得権益的な従来技術者は、どれほど残すべきかという議論は当然起こってくるだろう。

 昔、マイコン導入期などでは、社内の教育で技術者の転換などを行って、この危機を乗り切った会社もある。しかし現在の状況でこれが許されるか、総合的な議論が必要になってくると思う。

 政府は、70歳まで働けと言うが、職種転換をどのように考えているのだろう?少なくとも学校教育にこれを期待できそうにない?どこが受けざれになるのだろうか?

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