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2019年7月19日 (金)

言葉の意味が理解できる条件

 昨日、NHKで「日本人のお名前」を見ていたら、明治の鉄道関連の話題であった。ここで面白いと思ったのは

「切符の語源は江戸時代の米取引にある」

という話である。この話は、色々と深いモノが出てくるので、少し突っ込んでみよう。番組でも取り上げていたが、

「江戸時代の米取引では、現物の米がなくても、それを保証する『切符』で取引ができた。」

ということは、簡単に言っているが、とても深いことである。つまり、

「取引を成立させる約束事や信用のシステムができていた。」

ということである。ここで『信用』と一言で言うが、これを本当に伝えるのにどれほどのモノが必要か、考えた人はどれほどいるだろう。私たちは、人を『信用』することが、ある程度当たり前になっている。さらに、『我が国のお金』を無条件に信用している。これが当たり前と思うことは、世界の歴史や現在の各国の政治状況を、全く見ていないことである。 

 我が国でも、江戸時代の貨幣改鋳に関しては、金の含有量で貨幣価値が変化した事例もあり、信用というモノが、金や銀という、物質の裏付けがない限り、成立しなかった時代もある。

 実質、紙幣が独立で、通用するようになったのは、明治の国家が成立し、国民が国を信頼するようになったからである。しかし、その土台が、江戸時代の商人たちの取引にあったことは、もう一度考えるべきことである。

 ここで、『切符議論』に話を戻すが、切符と言う翻訳自体の持っている、大きな価値をここで考える必要がある。話を広げると、日本語は最先端学問を、そのまま記述できる、世界でも珍しい言語である。これは明治維新の時から、先人が苦労して西洋文明の翻訳を行ったからである。現在の多くの急成長国は、

「英語を学ぶことで最先端学問に触れる」

ことしかできていない。この理由は、

「翻訳を受けるだけの語彙や、その意味を示す体験などがない」

からである。

 単に『文字の並び』を、教えるのではなく、その概念の成立する世界を伝える。これが本当の教育ではないかと思う。

 この話には、記号の意味の話も絡んでくる。パースは記号を以下の3通りに分けている。

  1. イコン:そのモノと直接対応している
    例えば「熱い!」という悲鳴
  2. インデクス:そのモノや現象の痕跡
    例えば「やけどの跡」
  3. シンボル:直接的なつながりがなく体系化した記号
    例えば「これは熱したモノに触れた火傷」

これらの段階に合わせた、言語の教育が必要ではないかと思う。

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