ご縁のあった人たち

無料ブログはココログ

« 就職氷河期世代の採用に関して | トップページ | 唯一絶対の正解を求める教育の原点は明治維新後の新政府にある »

2019年12月 4日 (水)

PISAの読解力問題を見て

 今話題になっている、PISAの読解力問題を自分で見たら、とてもよい問題であった。

 http://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/04_example.pdf

 この問題は、科学者のブログから、参考図書の意見を書評で示し、対立する意見を科学レポーターが紹介する別の説を紹介する形で進む。

 私は、NHKニュースなどから、この問題の最後の部分しか知らなかったので

「科学者のブログ、書評、科学レポーターの記事の三者に対し、その信頼性評価まで高校生にさせるのか?」

と言う違和感を描いていた。しかし実際の問題を見ると、

「科学者のブログで参考になる文献の書評を紹介し、そのブログのコメントで紹介された異論が、
科学レポーターの紹介による二人の科学者の成果」

 

と言う見事なストーリー展開となっている。

 ただし、この形のストーリー展開型の設問は、受験テクニックの

「全部見て、解けそうなモノから解いていく」

という手法とは合わない。この点でも答えにくかったのではと思う。

 なお、この問題を通して「事実と意見の分離」について、しっかり要求している.このスキルも日本の教育に関しては弱いと思うが、さすがに、ここの正答率は触れていない。

 さて、今回の調査で正答率が低かったのは、最後の問題である。

三つの資料を読んで、あなたはラバヌイ島の大木が消滅した原因は何だと思いますか。資料から根拠となる情報を挙げて、あなたの答えを説明してください。

この問題は本当に正解を求めるなら、単に読解を求めるだけでなく、情報の評価能力まで求めている。私の個人的な答えは、以下の通りである。

「この問題に提供されている二つの説は、どちらも根拠が、
書評と科学ライターの紹介記事という、間接的な情報であり、判断の根拠とすることは難しい。
従って、判断は保留とします。
今後、人間が大木を大幅に伐採したという証拠か、
ネズミが木の種を食べたという証拠が出てくれば、判断します。」

ただし、採点基準は二つの説のどちらでも、そして判断保留も、論拠と結論の関係が明確なら正解としている。高校生レベルと言うことで、情報の評価能力についての論評は逃げたという感じがある。

 さて、この問題の正解率の低さには、日本特有の問題があると思う。

 それは、

「唯一の正解へのこだわり。」

である。

 唯一の正解を求めると、このような問題では判断ができなくなる。この問題については、長くなるのでもう一度改めて議論したい。

« 就職氷河期世代の採用に関して | トップページ | 唯一絶対の正解を求める教育の原点は明治維新後の新政府にある »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 就職氷河期世代の採用に関して | トップページ | 唯一絶対の正解を求める教育の原点は明治維新後の新政府にある »