ご縁のあった人たち

無料ブログはココログ

« 日本的な意思決定の成立条件と限界 | トップページ | 交流分析の考え方で日本文明と西洋文明の発想を整理する »

2020年1月13日 (月)

西洋文明的発想について

 今まで、日本文明の発想法についていろいろ議論したが、比較のため西洋文明的発想について、歴史的に考えた。

 まず西洋文明の歴史を考えると、古代ギリシャの哲学が一つの基礎である。古代ギリシャの哲学者として、プラトンの名前を知らない人は少ないだろう。彼が作ったアカデメイアの門には、

「幾何学を知らぬ者くぐるべからず」

という記述があった。つまり、ギリシャの哲学の基本的な考え方は、幾何学的な議論法にある。

 さて、この幾何学は、古代エジプト文明から影響を受けている。古代エジプトは、『母なるナイルの恵み』である、『定期的な氾濫』によって、土地を肥沃にして、農耕を可能にしていた。しかし、このような氾濫が発生する状況では、氾濫後の土地の復元が大切である。そのために測量の技が進歩しその一般理論としての幾何学が進化してきた。幾何学の最初に学ぶのが、『合同の概念』なのは、氾濫後に同面積の土地に復旧する必要があったからである。

 ここで、もう一つ大事なことは、ナイルの恵みを受ける土地が、毎年氾濫でリセットされるということである。このような状況なら、直線などの理想的な図形が使いやすくなる。ここから、直線や点という理想的な概念が、現実のものに対応しやすくなる。

 このように、現実の複雑さ、多様さを無視した、理想的なもので考える発想が、西洋文明の根底にある。これに関連して、プラトンの有名な『洞窟の比喩』という発想がある。これは西洋文明のもう一つの根底である、キリスト教にも共通である、

「神の世界は到達不能」
つまり
「現実の複雑な実態は人間の力では知ることができない」

というあきらめである。

 従って、

「解りやすい因果関係」

を探すことで理論を造ろうとする。これが西洋文明の力である。

 この割り切りが、悪く出たのが、アフリカの地図である。直線的な国境線は、植民地支配時代の支配側の妥協で、地図上で線を引いた分割結果である。これでは、地形の複雑さや、種族の集まり具合などの、現地の状況を無視しているため、現在でも紛争が起こっている。

 私たちは、この西洋文明的な割り切りの弊害を,しっかり認識して、上手に使う必要がある。

 

« 日本的な意思決定の成立条件と限界 | トップページ | 交流分析の考え方で日本文明と西洋文明の発想を整理する »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 日本的な意思決定の成立条件と限界 | トップページ | 交流分析の考え方で日本文明と西洋文明の発想を整理する »