西洋文明と日本文明の比較 彫刻の例
日本文明の思考方法は、西洋文明と違った面がある。今回は、像を彫る等の事例で考えてみたい。
日本の文明は、
「あるべき姿を探り出す」
と言う発想がある。例えば、仏師が仏像を彫るときには、
「木の中にいらっしゃる仏様を表に出すように木を削っていく」
という感じで余分な木を除去するのが、仏師の仕事である。
一方、西洋文明の場合には、部分を積み上げていくという発想がある。人物像を作るなら、
「まず骨格を勉強する。次に筋肉の付き方を知る。・・・」
と言う形で、段階を経て積み上げていく。この根底には
「部分に分けて、きちんと学んでいく。」
「分けることで解る。」
と言う発想がある。
一方、日本文明の発想には
「分けたらなくなってしまうモノがある。」
「一度に全体を悟ることができる。」
と言う信仰がある。天台の摩訶止観の説く、円頓止観が一度に全てを観る可能性を示している。この発想の違いを、私たちは心しておかないといけない。
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