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2020年10月24日 (土)

理論理解の方法

 先日の、ヴェーバーの社会科学について、もう一歩考えを進めてみた。ヴェーバーは『理念型』や、『理想的な類型』を重視している。この理由をしっかりと理解することが、理論が解るための大切な一歩だと思う。一言で言うと

「理論が成立する『理想的な状況』で議論する」

為の舞台設定が、『理念型』の発想である。

「理論が成立するための世界モデル」

と言う発想は、ご都合主義に見えるかもしれない。しかし、物理学の世界では

  • 大きさを無視した質点
    • 分子の大きさを無視した『理想気体』

と言うような、理想化が色々と行われている。

 この必要性を理解するために、16世紀のガリレオの時代に戻って、考えて見よう。当時の学問は、『アリストテレスの自然学』が支配的であった。アリストテレスは、自然を真面目に観測し、観察結果をまとめて自然学を構築した。これは観測と論理がしっかり絡んだ優れた学問体系であった。しかしながら、現在の知識から観れば間違いもある。例えば、

「重い物は、軽い物よりは速く落ちる」
例えば
「重い鉄の塊は羽毛より速く落ちる」

と言う『法則の記述』がある。

 これに反論したのが、ガリレオ・ガリレイの思考実験である。

「重い物が速く落ちるなら、鉄の塊1㎏より、2㎏の方が速く落ちるはずである。しかし、1㎏の鉄の塊を二つを合わせたら、速く落ちるだろうか?極端な例で考えると、二つの鉄の塊を、紐で縛って繋いだら、速く落ちるだろうか?これはあり得ない。」

このような考えから、

「落下速度の変化は、空気の抵抗などの別の要因が入っている。それを排除すると、落下速度は重さには関係ない。」

と言う議論になる。

 このように、

「種々の雑物を除いた『理想的な世界』で考える」

ことが、世の中のからくりの本質を見いだす道である。物理学の道はまずこのような理想的なモノで考えて、その後現実の複雑さに対応して色々な項目を増やしてきた。

 社会科学でも、同じような発想が必要であるが、物理学ほど

「抽象化の道が見えていない」

ために多様な意見が乱立し、一般人が苦労していると思う。

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