知恵の種類について
先日から書いている、「照準と修正」の話に関連して、仏教の智慧の扱いで、一つ見えてきたモノがある。大乗仏教の唯識等の教えでは、人の智慧を
- 大円鏡智:全ての経験等を記憶し収める智慧
- 平等性智:自我のこだわりを昇華し、仏の力を見る力
- 妙観察智:全ての良いところを見いだして考える
- 成所作智:実際の対応を行う、当意即妙の智慧
と分けて考えている。このほかにも全てをまとめる、「法界体性智」もあるが、今回は置いておく。
さて、この四つの知恵の働きについて、私たちはどこまで意識しているだろうか?教えられたことを記憶していく、これだけで成績が良くなる。特に、実際の対応に当たる
「成所作智」
と事前にじっくりと考える
「妙観察智」
を、きちんと分けて考えることが大切である。更に、自分の考えは、自我による
「無意識の選択」
が働いている。価値観や道徳などが、無意識的に働いている。この部分を意識し、できるだけ「平等」に考えることも大切である。ここに「平等性智」の働きがあるし、心の奥には、色々な体験が
「鏡に映るよう」
にたまっている。
このように考えると、大乗仏教の教えは、私たちの心の働きについて、大事な物を伝えているように思う。
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