2009年11月23日 (月)

グライダーの苦労

 先日、外山滋比古さんの「思考の整理学」について述べたが、一つ思い出したので忘れないうちに描いておく。それは、「グライダー人間」と言う話しであった。つまり、

「人間は自分で飛ばないといけない。他の飛行機に引っ張ってもらう、グライダーではいけない。」

と言う主旨であった。確かに自主性は大切であり、言いたいことはわかる。
 しかしながら、自分のエンジンで暴走するのもこまったものである。
 グライダーとして風に乗るのも、仕事に慣れていないときには重要だと思う。何時までも、引っ張ってもらうのは困るが、風を無視する暴走も困る。

| | コメント (0)

2009年11月21日 (土)

テイラーの科学的管理(続)

 テイラーの科学的管理の本は、新人の心得で大切なことを示している。彼は、

「科学的に決まった行動基準に、新人はまず従うべき」

と言っている。しかも

「その上で言うべきことがあれば、科学的に根拠を持って議論しよう」

と言っている。これは、知識のある新人の心得として大切であるし、また新人を受け入れる側でも大切である。

 今まである伝統と言うか知恵を、おろそかにしてはいけない。そのため、新人は一度は従うべきである。しかしそれに対して、客観的な根拠のある疑問は、議論すべきである。

 このような姿勢が生まれたのは、科学的の根拠のある、作業指導を行ったからである。

 テイラーの功績は、従来の経験値に対し、理論的に根拠があり、議論のできる目標値を提示すると言う手法を示したことにある。 

| | コメント (0)

2009年11月19日 (木)

アイデアが重要か?実行が重要か?

 今の世の中に、解決を必要とする問題は多い。そこで、必要なものはアイデアであろうか?確かに、問題が解決するには、キーとなるアイデアが必要である。しかし、現在のようなインターネット社会では、多くの情報があふれている。つまり、どこかで先行事例が存在する。言い換えれば、アイデアもどこかに存在している。

 しかしながら、物事の解決は、アイデアだけでは不十分である。それを育て、現実との対応をつけて、実行する力が必要である。

 現在必要なのがこの実行する力ではないかと思う。

| | コメント (0)

2009年11月14日 (土)

軍隊組織の特徴について

 軍隊組織は、大部分の時間を訓練に費やしている。実際、災害救助なども含めて、軍隊組織は、訓練だけで終わるの平和でよい。地域ボランティア的に、危険地区の清掃などを行うぐらいしか、一般人に見えないのでも良いのかもしれない。訓練状況の高度さは、各国の諜報員が探してみて貰ったらよい。
 さて、少し脱線したが、このように十分訓練した組織の運用の特徴を考えてみよう。この指揮官は、訓練を通じて自分の部下の能力を、きちんと把握している。このような状況で、指揮を取るということは、指揮官が部下の行動を全て指示することができる、ということである。確かに、敵対行動の変化で個人が状況の変化に対応することは必要である。しかし、部下の力に信頼を置いて行動するのが軍隊組織である。
 一方、現在の企業では、企業内のOJT(On the Job Training)を行うことも、経営環境の悪化で難しくなっている。そこでは、個人能力が見えず、曖昧な指揮になることも多い。このためにPDCAのサイクルを回し、早期に改善を行う必要がでている。
 特に、失敗を繰り返さず、日々良くなっていく、作業プロセスの改善能力を持った組織にすることが重要である。

| | コメント (0)

2009年11月13日 (金)

褒める効果について

 本日のNHKテレビの『かんさい熱視線』は、『ほめるブームが企業に広がる』と言う話しを行っていた。確かに、褒めて育てると言う手法は、現在の企業に とって有効な手段である。しかし、30年程前には、どちらかと言えば、批判しながら育てる。もっと言えば、しかって育てると言うことが主流であった。
 番組の中では、評論家の森永氏が

「昔の日本的評価は、皆がお互いを認め合っていた。しかし、現在はトップ・ダウン的な評価が主体だから、きちんと褒めないといけない。」

と言っていた。この意見はある程度説得力がある。しかし、もっと踏み込むと、学校的な評価社会もある。一面的な成績評価が、全てを評価するような世界に育った学生が、会社に入ってきて、そのまま生きている。
 しかしながら、自律するためには、多様な評価を受け入れ、自分でも評価することが必要である。その中では自然に褒めることもできるようになるだろう。褒 めるためには、相手の立場で考えることも必要である。このような能力を、身に付ければ、今後生き残れることは間違いない。

| | コメント (0)

2009年11月11日 (水)

読書に於ける歴史の視点

 少し考えていることがあって、テイラーの『科学的管理法』を読み直してみた。(上野陽一訳)仕事に対する考えについて、色々とヒントに満ちた本である。
 しかし、この本を読む場合には、その本を著述した時代背景を理解しないといけない。確かに、テイラーの言い方には、人を見下したような面もある。しかし当時としては、労働者の立場にも比較的配慮していたと思う。
 歴史を遡り、その時代の背景を見て考えることは、多様な立場を認めることになる。このような思考法を身に付けることは現在の管理者・経営者に一番大切なものだと思う。
 なお、この本は11月28日に新訳がでるらしい。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/447800983X/ref=pd_lpo_k2_dp_sr_2/377-7992477-8033114?pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=lpo-top-stripe&pf_rd_r=0PZ0VCYVKEJQZYHBQZ8S&pf_rd_t=201&pf_rd_p=466449256&pf_rd_i=438204121X
どのような訳になるか楽しみだが、当時のニュアンスが消えるのは心配である。

| | コメント (0)

2009年11月10日 (火)

改善を行うためには条件の安定が必要

 日露戦争の大砲のことを調べていて、今まで見落としていたことに気がついた。大砲には反動があり移動する。そのため、一度発射した後元の位置に戻す必要がある。これは、作用反作用の法則から考えれば、当たり前のことであるが、見落としていた。
 大砲の命中率を上げるためには、前に発射した砲弾が何処に落ちたか知り、目標との関係を見て、修正することが必要である。しかし、その為には、大砲側の条件が変化しないことが必要である。このために、反動での移動を修正する必要がある。
 日清戦争や日露戦争の時期には、このような反動を上手く処理する大砲が実用になっている。そこで、日本海海戦での高い命中率は、このような条件を上手く生かした成果である。
 しかし、これと同じように改善を行うためには、条件が変化しないようにする必要がある。そこを理解せず、改善を求めることが多い。

| | コメント (0)

2009年11月 1日 (日)

長時間勤務で苦しむのは?

 よく言われている図式に

「非正規社員は、派遣切りなど雇用の不安定で苦しみ、正規社員は、長時間労働で苦しんでいる。」

と言うものがある。これは別のように見えて繋がっているのもがある。まず経営者と言うか管理者が、コストを人件費削減としてしか実現できない場合には、人減らしをするか、一定の賃金でこき使え、という話になる。
 つまり、経営者・管理者に、

「現状を打破して新しく利益を生み出すための智慧が、備わっていない」

から、このようなことになる。
 しかし、労働者の長時間労働には、もう一つの理由があるように思う。それは前にも書いた、『精兵主義』である。

「有能な人間なら、この時間でできる。だから標準時間はXXである。従って、この時間で出来ないのは、お前が悪い。」

このような発想が、まかり通っているように思う。確かに、有能な人間の仕事振りに、合わせる努力は必要であろう。しかし、それにも限度がある。また方法論もきちんと整備しないといけない。そのようなこともせずに、トップの数人ならできる時間を、標準時間と言えば、多くの人間には、残業時間の山となるであろう。

| | コメント (0)

トヨタ方式と精兵主義

 トヨタ方式の生産現場や、セル生産の導入について聞いていると、いつも思うのだが、その生産に従事している人の、身体能力や知的能力は、非常に高いものでないとついていけないと思う。
 これは、旧日本軍の精兵主義に通じるものと思えてきた。
 ある程度の規模なら、有能な人間をそろえることもできるだろう。また、厳しい話しを言えば、非正規雇用で試しておいて、使える人材だけを正社員にする等の手法も使えるかもしれない。
 しかし、大きな会社が多数の人材を確保するとした時、平均人材でできる仕事の仕組みが必要である。精兵主義には限界がある。

| | コメント (0)

信用する条件

 ある人が言うことを信用するのはどのような条件だろう。
 一つは、その人自体を信用する、である。もう一つは、その発言の中に、事実が含まれている。
 しかしもう一つの条件があると思う。それは、その意見を出すための方法論がしっかりしていると言う、評価基準である。この評価をきちんと行うことが、間違わないための条件だと思う。

| | コメント (0)