トランプ大統領を生み出した原因は社会の分断にあり
トランプ前大統領が無事身を引いたらしい。これで
「アメリカは正常に戻る」
と喜ぶ人も多いだろう。
しかし、単純に『トランプ大統領』を否定するだけで良いのだろうか?例えば、アメリカから書いているYUUKIさんのブログにも、トランプ賛成派の知性に関して肯定的な意見がある。
大統領選2020 その2 言葉に注目するか行動に注目するか(それが問題だ): Me like chocolate! (cocolog-nifty.com)
この問題の本質について、エマニュエル・トッド氏は日経ビジネスで以下のように言っている。
エマニュエル・トッド氏、エリートが分断を解消せよ:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)
教育による社会の分断です。高等教育を受けた人、中等教育までの人、読み書きができるだけのレベルの人というように分かれています。一昔前は読み書きができれば平等という感覚があったんですが、今はそれがなくなりました。
上層にいる人たちが下層の人たちをさげすむような状況が生まれ、下層の人は上層の人の言うことに懐疑的な感情を抱いている。高等教育を受けた人々が結構多くなり、彼らだけで閉じた世界をつくり上げてしまっている。
これが本質ではないかと思う。つまり、オバマ大統領などの高等教育層に対する不信、これがトランプ支持を動かしたのではないか。
実はこの問題は、日本でも既に出ている。読売新聞の渡邉恒雄朱筆が書いた『反ポピュリズム論』は、当時の大阪維新の橋下徹知事・市長への悪意があふれている。しかし、彼自身の記録を見ると
「自民・民主の大連立を仕掛けた」
と言う記録が示すように
「大物が国民の目の届かない談合で決める」
密室政治そのものである。
もっと言えば、彼らの主張は
「教養ある我らに任せろ」
と言う、『プラトンの哲人政治』発想そのものである。
なお、橋下徹は、
「政治権力の歯止めとしてのジャーナリストの役割」
を重視していたが、このようにジャーナリストの大物が、密室政治に関与するのでは、大衆の支持を失うであろう。
こういう観点で見ると、少なくとも大阪の地方政治では、維新が成功している。これは、上記の『教育による分断』に対しての一つの答えではないかと思う。
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